イソナイトに関するQ&A

イソナイトについて教えて下さい。
鉄系材料(SUS材含む)の表面硬度、疲労強度、耐摩耗性を向上させます。処理温度は570℃です。他の熱処理(浸炭、高周波焼き入れ処理温度900℃前後)と比較して変形が少ないのが特徴です。
なぜ性能向上(硬化、疲労強度、耐摩耗性、耐熱性向上)するのですか。
処理液中の窒素と鉄が反応することにより表面に窒化鉄(主にFe2-3N)が形成されます。窒化鉄の高い圧縮応力により表面硬度と疲労強度が向上します。又、窒化鉄は摩擦係数が低く、非粘着性も合わせ持つため耐摩耗性も向上します。
具体的にはどんな部品に使われますか。
自動車部品(クランクシャフト、カムシャフト、エンジンギヤ、エンジンバルブなど)に多く採用されています。自動車部品には高い疲労強度と耐摩耗性が要求されるからです。
カーオーディオ、プリンターのプレス部品、切削部品にも多く採用されています。弱電精密部品は小さい割には負荷が高いこと、処理後の変形を嫌うこと、カシメ強度を得るためなどに採用されます。
また金型ではアルミサッシの押し出し用金型に採用されています。
表面硬度と硬化層深さはどれくらいですか。
表面硬度は材質により異なりますが、炭素鋼(S10C~S35C)でHV400以上、炭素鋼(S45C~)でHV500以上、SCM材でHV600以上、SUS材でHV900以上です。
硬化層深さは処理時間、材質により大きくことなりますが、化合物層として10μm前後、拡散層として0.1~0.5mm前後です。
SUS材に関しては全窒化層として10~30μm程度です。
処理可能寸法を教えて下さい。
仙台工場では外径750mm、長さ1200mmまで処理可能です。それ以上は他工場での処理となります。(伊丹工場では外径1500mm弱、長さ3000mm弱まで処理可能)