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株主の皆さまへ
株主の皆さまにおかれてましては、平素より弊社事業活動につき格別のご理解とご支援を賜り、誠にありがとうございます。私たち日本パーカライジンググループは、時代とともに変化するお客さまのニーズに合わせ自らの技術を進化・深化させることで、独創性にあふれた技術を数多く創造してまいりました。今後とも、継続的に技術力の向上を図り、世界中に良質な製品・サービスを提供するとともに、環境負荷低減など社会課題の解決にも積極的に取り組んでまいります。
近年、企業を取り巻く環境は大きく変化しており、温暖化による気象の激甚化、感染症の発生・拡大、ウクライナ紛争をはじめとする地政学的リスクの顕在化等、枚挙にいとまがありません。弊社グループは、こうした事業環境の急激な変化や顕在化に適切に対応するべく、2021年5月に私たちのありたい姿と向かうべき方向を示した経営ビジョン “Vision2030” を公表し、その中に「サステナビリティ経営の推進」を掲げ、改めてサステナビリティの考え方を経営の中核に据えました。その後、「社会要請への対応」と「事業を通じた社会価値の創造」の両面から重要課題(マテリアリティ)を特定するとともに、カーボンニュートラルに向けたCO2削減目標を設定する等、環境・社会・ガバナンス(ESG)情報の開示充実にも取り組んでおります。
第4次中期経営計画初年度の2023年3月期連結業績につきましては、各国で行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化が進展したことなどから世界経済が緩やかに回復基調で推移し、国内外で販売価格が上昇したものの、引き続き資源・エネルギー価格高騰の影響は大きく、売上高は前期比微増の1,191億円、営業利益は7億円減の126億円となりました。2023年度の国内および世界の経済見通しにつきましては、資源・エネルギー価格の高止まり、インフレ圧力の継続、世界的な金融引き締めによる景気下振れ懸念、ウクライナ情勢等のリスク要因も多く、先行き不透明な状況ではありますが、足元で底堅く推移している個人消費や設備投資に支えられ、当面は緩やかな回復基調が継続するものと考えております。このような事業環境のもと、弊社グループの次期連結業績見通しにつきましては、回復の遅れていた装置事業や欧米地域の業績が一定程度回復することを前提に、増収増益を見込んでおります。依然として、原材料価格の高止まりやエネルギー価格の上昇等が弊社グループの業績に影響を及ぼしている状況は続いておりますが、コスト削減や生産性向上等を通じて業績回復に努めてまいります。
株主の皆さまに対する利益還元については、安定した配当の継続を基本方針としておりますが、当面の間はこの配当方針を上回る配当を実施することとし、あわせて自己株式取得についても積極的に実施することで資本効率の向上を図ってまいります。
弊社グループは、今後も表面改質分野におけるリーディングカンパニーとして、研究開発体制を強化し、新たなイノベーションの創出を図るとともに、サステナビリティ経営の推進を通じ、持続的成長と中長期的な企業価値向上の実現を目指しております。
日本パーカライジング株式会社
代表取締役会長兼社長
里見 多一