日本パーカライジング株式会社

NIHON PARERTIXING GROUP

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表面改質技術による環境貢献 ~表面改質は未来を変える~

表面改質技術とは

すべての“モノ”に表面があります。表面改質とは、この“モノ”が持つ本来の特性を変えることなく、外界に接している部分、つまり“表面のみを変える”技術です。この技術により、”モノ”が持つ本来の特性をさらに伸ばしたり、大きく変えたり、時には全く相反する性質を付与することが可能になります。

例えば、鉄に表面に薄い皮膜を形成させることで錆を防ぎます。また、鋼(はがね)の表面から数㎛(マイクロメートル)レベルの深さを改質することで、より硬くなり、摩耗を防ぎます。つまり、”モノ”の寿命を延ばすことができます。

表面改質とは、”モノ”を大切にすることから生まれた知恵であり、まさにサステナビリティの考え方を体現した技術といえます。

表面改質技術による環境貢献

もしも、表面改質技術がなかったら?

近年、地球温暖化による気候変動が、人々の暮らしだけでなくあらゆる生き物の生態系に大きな影響を与えるようになっています。サステナブルな社会づくりがこれまで以上に求められています。
では、産業界に位置する私たちにできることはなんでしょうか?私たちは、持続的な社会の発展を可能とするため「適所適“材”」と「長寿命化」という2つのコンセプトを考えています。
人類が金属を使用してからすでに5千年以上が経過しています。適所適“材”の観点から、有用性の高い“材”料である金属は今後も使われ続けていくでしょう。しかし、鉱石から金属を得る過程で大量のエネルギーが消費され、GHG(温室効果ガス)が排出されるのも事実です。こうして得られた金属材料をいかに大切に長期にわたり使い続けることが出来るか、これが私たちに課せられた課題です。言い換えれば、化学的損耗である腐食や、機械的損耗である摩耗からいかに金属材料を守るか、ということです。

腐食や摩耗の例:腐食の進んだ自動車写真

当社独自の試算になりますが、日本における防錆防食に掛かる費用(腐食コスト)、4.3兆円*1を用い、この腐食コストと金属損失量(金額より換算)を同等とし、失われた材料を新たに補わなければならないと仮定した場合、その製造過程で新たに8,000万トンものCO2が排出されることになります。世界規模で考えれば38億トンもの排出となり、これは世界のCO2排出量*2の11%にも相当します。一方、先進国では摩擦・摩耗コスト*3も示されております。これを用いて国内の金属損失量を算出し、その部分を新たに補わなければならないと仮定すると、その製造過程で腐食と同等の8,000万トンものCO2が排出されることになります。
このように、現在施されている防錆防食技術、耐摩耗技術により、いかに金属材料が腐食や損耗から守られ、CO2の排出抑制に寄与しているかがよくわかります。

  1. *1: 公益社団法人腐食防食学会/一般社団法人日本防錆技術協会:わが国における腐食コスト(2020)
  2. *2:Energy Institute:CO2二酸化炭素排出量(EI統計)
  3. *3:K. Holmberg:Tribology International, 135, 389-396(2019)

日本における腐食コスト

(防錆防食に掛かる費用)

4.3兆円

日本における金属損耗

(化学的損耗+機械的損耗)

16,000万トン