ESG情報
Social 社会 生物多様性と地域のつながり
生物多様性
日本パーカライジンググループは、「環境方針」に基づき、生物多様性への配慮を明確に掲げ、事業活動全体における影響の認識と軽減に努めています。すべての従業員が自然との関わりを意識し、地域社会と連携した保全活動を推進しています。
生物多様性方針
- 表面改質技術を通じて、生物多様性・生態系を含む自然資本への負の影響を低減し、正の影響を増やす取組みを推進します
- サプライチェーン全体で気候変動対策、省資源化、再資源化の推進、環境負荷物質の削減をこれまで以上に配慮します
生物多様性の取り組むべき課題
当社は、生物多様性方針からネイチャーポジティブ(自然資本の保全・再興)に貢献する事業活動を役割とし、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークに従って自然関連の依存、影響、リスクおよび機会を評価し対応してまいります。また、水資源のリスク調査を実施し、持続可能な利用と管理に取り組みます。
経団連生物多様性宣言イニシアチブへの賛同・参画
当社グループは、日本経済団体連合会の「経団連生物多様性宣言・行動指針」に賛同し、「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」に参画しています。
私たちは企業理念である「地球上に限りある資源の有効活用を図り、あらゆる素材の表面改質を通じて、資源の新しい価値を創造し、地球環境の保全と豊かな社会づくりに貢献します」を基盤として、自然資本(生物多様性・生態系)の保全・再興に対する貢献を重要な責務と考えています。
私たちは、以下の取り組みを通じて、自然と共生する社会の実現に継続的に取り組んでまいります。
- 生物多様性に配慮した製品・サービスの提供
- 自然資本への負の影響の低減と正の影響の最大化
- 技術開発・工程改善による資源効率向上
- サプライチェーンを含めた連携
水リスク評価
当社グループは、水資源に関するリスクの把握と適切な対応を目的として、世界試験研究所(WRI)が提供する水リスク評価ツールAqueduct 4.0を用い、当社および国内外グループ会社の計69の生産拠点を対象に将来の水ストレス(通常シナリオ・2030年)を評価しました。
分析の結果、全体の23%にあたる16拠点が「極めて高い(Extremely high)」及び「高い(High)」水ストレス地域に位置していることが確認されました。これらの拠点は主にアジア、北米、欧州の一部地域に分布しており、水資源の逼迫が事業発動に影響を与える可能性があると認識しています。
当社グループでは、本評価結果を踏まえ、水ストレスの高い地域の拠点を優先対象とした水使用量の削減や水資源のリユース/リサイクルの推進、取水源の多様化などの対策を進めるとともに、地域特性に応じた水資源管理を強化しています。今後も、水リスクの継続的なモニタリングと対応を通じて、事業の安定運営と水資源の持続可能な利用の両立を図ってまいります。
[水ストレス 高(High)以上の拠点数]
・極めて高(Extremely high):7拠点(中国1、ベルギー1、米国1、メキシコ2、タイ1、インド1)
・高(High):9拠点(中国1、韓国1、ベトナム1、フィリピン1、タイ3、インドネシア2)
| Futeure Water Stress (2030年、通常シナリオ) |
拠点数 | 拠点比率 | 取水量(㎥) | 2024年度比 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 2024年度 | 2025年度 | ||||
| 極めて高 Extremely high (>80%) | 7 | 10% | 101,615 | 92,451 | 91% |
| 高 High (40-80%) | 9 | 13% | 190,281 | 215,266 | 113% |
| 中~高 Medium-high (20-40%) | 23 | 33% | 758,769 | 768,187 | 101% |
| 低~中 Low-medium (10-20%) | 27 | 39% | 317,736 | 311,534 | 98% |
| 低 Low (<10%) | 3 | 4% | 90,967 | 86,012 | 95% |
| 計 | 69 | 100% | 1,459,369 | 1,473,451 | 101% |

水ストレス「高(High)」以上の生産拠点での水資源有効活用への取組み
当社グループでは、水ストレスの状況は地域ごとに大きく異なる特性を有することから、現時点において全社一律の水使用量削減目標は設定しておりません。一方で、水リスクへの適切な対応を重視し、WRI Aqueductによる分析において水ストレスが「高(High)」以上と評価された生産拠点については、各拠点の実情に応じた個別目標を設定し、水資源の有効活用に向けた取組みを推進しています。
水ストレスが「極めて高(Extremely high)」に分類されるインドの拠点では、地域ステークホルダーや行政機関、技術パートナーとの連携のもと、持続可能な水利用の実現に取組んでいます。2025年度には、RO排水の再利用や工程洗浄水の効率化を進めた結果、地域水源からの淡水取水量を前年比で5,526㎥削減しました。これにより、水資源の保全に貢献するとともに、地域社会からの信頼向上にもつながっています。さらに同拠点では、2030年までに総取水量を2023年比で20%削減する目標を掲げ、継続的な改善を図っています。
また、水ストレスが「高(High)」に分類されるインドネシアの拠点では、社内チームによる定期的な巡回を通じて工場内の節水可能な箇所の洗い出しを行い、水使用効率の向上に取組んでいます。2025年度には、熱処理ラインの洗浄工程やRO排水の有効活用により、水使用量を455㎥削減しました。同拠点では、2030年までに水使用量を2023年度比で10%削減する目標を設定しています。
当社グループは、今後も水ストレスの高い地域を中心に、地域特性に応じた水資源管理の高度化と削減施策の推進を図り、持続可能な水資源利用の実現に貢献してまいります。
地域のつながり
日本パーカライジンググループでは、社会貢献活動方針を掲げ、地域の皆さまとともにさまざまな活動を実施しています。
地域社会の一環として地域のニーズに合わせた多様な活動を展開するとともに、行政ならびに地域住民の皆さまと手を取り合い、地域社会との共存・連携に努めています。
社会貢献活動方針
- 日本パーカライジンググループは、国内外の各事業拠点と、それぞれの所在する地域社会との共生を図り、地域社会の持続的発展に貢献します
- 日本パーカライジンググループは、地域社会と連携し、環境保全活動など地域に根ざした活動を行います
- 日本パーカライジンググループは、従業員一人ひとりが地域のメンバーの一員として自ら社会活動に参画できるよう、企業風土の醸成を図ります
次世代育成支援・キャリア教育
当社グループでは、国連グローバル・コンパクト、セーブ・ザ・チルドレン、国連児童基金(ユニセフ)の「子供の権利とビジネス原則」を支持し、さまざまな取り組みを実施しています。
次世代を担う子どもたちに学びの場の提供
2008年から2012年、近隣の小学生を招き、防錆処理、親水性処理、塑性加工、表面観察、化学反応(反応による色変化、pH試験紙、模様が観察できる色変化)、物質の三態(液体窒素による冷凍実験)等実験を通して化学に親しんでもらいました。
中学生との交流

2019年6月、近隣の中学生を招き、「化学物質と私たちの暮らし」の講義、表面処理・解析の実験(実演)をおこないました。表面処理がなぜ必要か?どのように表面処理をするのか?表面処理をするとどうなるのか?顕微鏡でいろいろなものを観察してみよう、これらのテーマを通じて生活の中にある化学を身近に感じてもらうと同時に、製品含有化学物質管理システムも併せて説明することで、化学物質の適切な取り扱いの重要性についても理解してもらいました。



小中学校における感染症対策支援
日本パーカライジングでは、子供たちの教育と健康支援として、「日常の感染症予防に関する講話」や、抗菌効果が約2カ月持続する抗ウイルス抗菌スプレー「Pal-Feel」の寄贈を行っています。今後も子供の権利を尊重し、教育と健康の支援に尽力してまいります。
2023年度 2校(目黒区駒場小学校、葛飾区立原田小学校)

高校生の工場見学
開かれた職場環境への取り組み:高校生への職場見学活動
関西工場では、新卒採用前の高校生を対象とした職場見学を実施しています。工場の概要説明を交えながら製造工場内を約1.5時間かけて見学してもらっています。企業活動を実体験していただき、その体験や見聞を、未来を担う子どもたちへ伝えていただくことを目的としています。
高校生が実際に自分の働く姿をイメージできるように、同じ高校を卒業した従業員を同席させ、実際に働いている先輩から具体的な話を聞いたり質問をしたりする時間を設けています。体験・体感を次世代に伝えていっていただければと思っています。



インターンシップ(学生・障がい者)
- 学生向けインターンシップ
2016年度より学生に就業体験の場を提供するインターンシップをおこなっています。大学生を対象としたインターンシップでは、神奈川県の総合技術研究所において、職業観を醸成する実習や、研究所内見学、最後には新たな表面処理をテーマ提案、報告していただくワーク等をおこない、学生ならではの創造力豊かな発想やアイデアもあり、出席した従業員にも新たな気づきを得る良い機会となっています。2020年度からは新型コロナウイルス感染対策として、リモートでの職場見学や動画配信の活用により、オンラインにて学生が業務内容や働くことの理解を深めることができるよう実施しています。 - 障がい者雇用と多様性への理解へ
農園型障がい者雇用サービスを導入し、障がいのある方が安心していきいきと働ける就業機会の創出に取り組んでいます。また、農園で収穫した農産物をNPO法人へ寄付し、フードパントリー(食材配布)を通じて地域の方々へ提供するなどの取り組みから、2025年度は実際に地域の皆様も農園へお越しいただき、感謝の寄せ書きをいただきました。今後も社会課題の解決と地域貢献にもつなげていきます。
さらに、「ダイバーシティ&インクルージョン研修」の一環として、従業員が農園で障がいのある方々とともに農作業を体験する機会を設けています。自然なコミュニケーションを通じて相互理解を深めることで、障がいに対する理解や多様性を尊重する意識の浸透を図っています。



国内事業所の対応
パーカープロセッシング(株)平塚イソナイト工場(旧日本パーカライジング(株)平塚第二熱処理工場)は、地域社会との連携を重視した環境保全活動の一環として、2025年11月5日に馬入ふれあい公園のお花畑において「チューリップの植栽および周辺清掃活動」に参加しました。本活動には、平塚地区環境対策協議会および平塚市役所職員、八幡小学校3年生の児童が参加し、世代や立場を超えた協働のもとで実施されました。
当日は開会式の後、参加者が協力してチューリップの球根を丁寧に植え付け、その後、花畑周辺の清掃活動を行いました。児童たちとともに作業を進めることで、地域の環境美化への意識向上と交流促進にもつながる機会となりました。最後に閉会式が行われ、活動を通じて得られた達成感とともに、今後の継続的な取り組みの重要性が共有されました。
当工場は引き続き、地域の皆さまと連携しながら、自然環境の保全と地域社会の持続的発展に貢献する活動を推進してまいります。
パーカープロセッシング(旧パーカー加工)豊橋工場では、地域環境の維持・向上を目的として、工業団地内における「ゴミゼロ活動」を毎月継続的に実施しています。本活動は、工業団地に立地する企業が連携し、周辺環境の美化と地域全体の環境意識の向上に寄与する取り組みです。
2025年5月の活動では、梅雨入りを前に豪雨時の排水機能を確保するため、排水溝周辺を中心とした清掃を重点的に実施しました。具体的には、排水溝周りに堆積した土砂やごみ、繁茂した雑草の除去を行い、排水能力の維持・向上を図りました。
今後も豊橋工場は、地域の皆さまと協力しながら、環境保全と安全な地域づくりに貢献する活動を継続してまいります。



海外:グループ会社の取り組み
子どもの教育支援
当社グループの日本パーカライジングインディアでは、CSR活動の一環として、毎年、現地で支援活動を行うNPO法人「結び手」を通じ、インド・ハリアナ州グルガオン地域で活動するNGO団体「We Care Foundation」への寄付を継続的に実施しています。本取り組みは、地域の子どもたちに安定した教育機会を提供し、将来の自立と社会参加を支援することを目的としています。
具体的には、同団体が運営するラーニングセンターにおいて、教師の人件費や教育環境の整備に必要な施設関連費用への資金援助を行っています。インドの一部地域では、公教育における人的・制度的な課題により、十分な教育機会が確保されていないケースが見られます。こうした背景を踏まえ、We Care Foundationは独自にラーニングセンターを設立し、通信・遠隔教育を活用した修了資格の取得支援や、パソコン教育を通じた基礎的なデジタルスキルの習得に取り組んでいます。
当社は資金的支援にとどまらず、グルガオン本社への子どもたちの招待による交流機会の提供や、使用しなくなった備品類の寄付なども実施しています。今後も、現地パートナーとの連携を通じて、地域の実情に根ざした教育支援を継続し、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
2025年8月15日、タイパーカライジングの経営陣は、タイ教育省基礎教育委員会事務局(OBEC:Office of the Basic Education Commission)を訪問しました。本訪問では、経済的に困難な状況にある学生の就学継続を支援することを目的として、合計229名分、総額1,000,000バーツの奨学金を寄付致しました。
また、2025年8月28日から29日にかけて、タイパーカライジングの経営陣とOBECの代表者は、ノンカーイ県、ノンブアランプー県、ウドーンターニー県の各地域を訪問し、対象となる学生一人ひとりに対して奨学金を直接授与しました。本取り組みを通じて、地域の実情を踏まえた支援を行うとともに、学生や教育関係者との対話を深めました。
本活動は、教育機会の拡充を通じた人材育成および地域社会への貢献を目的とした、当社グループのCSR活動の一環です。今後も、現地教育機関との連携を通じて、次世代を担う子どもたちの学びを支援し、持続可能な社会の実現に貢献していきます



緑化
2025年10月30日、タイパーカライジングは、タイ・バンコク近郊のバンカチャオに位置するシーナコンクアンカーン公園において、「Ride for Tree Planting(自転車による緑化活動)」を実施しました。
本活動は、当社のカーボンニュートラル方針に基づき、環境の持続可能性の向上に貢献することを目的として企画されたものであり、移動手段として自転車を活用することで、低炭素行動の実践も併せて推進しました。植林を通じた環境保全への貢献に加え、従業員が主体的に参加することで、日常業務における環境配慮意識(エコマインド)の醸成を図っています。
当社グループは今後も、従業員参加型の環境活動を継続的に実施し、地域社会と連携しながら、脱炭素社会および環境と調和した持続可能な社会の実現に貢献していきます。
資源リサイクル
2025年3月13日、タイパーカライジングでは、資源の有効活用および社会貢献活動の一環として、社員に対し前年のカレンダーの寄付を呼びかけました。回収されたカレンダーは、タイ盲人財団へ寄付され、視覚障がい者向け点字図書の制作に活用されます。
本取り組みは、モノの再利用を通じた資源の有効活用を推進するとともに、従業員一人ひとりが社会課題への理解を深め、地域社会への貢献を実感する機会となりました。
当社は今後も、従業員参加型の社会貢献活動を継続的に実施し、循環型社会の実現と地域との共生に貢献していきます。
廃棄物削減(プラスチックごみ)
日本パーカライジングインディアは、資源循環および環境負荷低減を目的として、プラスチック廃棄物の削減に取り組んでいます。2025年6月に全従業員へ再利用可能なジュート袋(麻袋)を配布しました。使い捨てプラスチックの使用抑制を促進し、地域におけるプラスチック廃棄物削減に寄与しています。



寄付活動
当社は経団連ならびに経団連自然保護協議会の活動に賛同し、「公益信託 経団連自然保護基金」へ2025年度に寄付を行いました。


