ESG情報
Social 社会 健康と安全
健康経営の推進
日本パーカライジンググループは、従業員一人ひとりの健康が企業の持続的な成長を支える基盤であると考えています。心身ともに健やかに働ける職場環境づくりを通じて、従業員の活力と組織の生産性を高める「健康経営」に取り組んでいます。
健康管理の基盤施策
目標
必要に応じて産業医から指導を受けながら、生活習慣病の予防やメンタルヘルスケアに加え、健康診断、二次検査、保健指導、治療と就業の両立支援、感染症対策、有害業務従事者の管理等の基盤活動を通じて、全従業員の健康維持・増進を目指しています。定期健康診断後に再検査が必要とされた場合にも、健康診断事後措置票を発行し、従業員からの受診報告の回収100%を目指して取り組んでいます。
予防プログラム
1. 健康診断の受診の徹底
定期的に身体の健康状態を確認することが重要であると考え、全従業員に対して健康診断の受診を推奨しています。また、人間ドック・婦人科健診費用やインフルエンザ予防接種にかかる費用の補助も行っています。さらに、保養施設や契約スポーツ施設など、従業員がリフレッシュできる場所の提供にも取り組んでいます。従業員が 健康で豊かな生活を送れるよう、そして、業務におけるパフォーマンスを最大限に発揮できるように継続的にサポートしてまいります。
従業員自身が健康状態を把握し維持・改善に努めることが最も重要であると考えており、定期健康診断の受診率100%を目指して積極的な働きかけを行っています。さらに、特殊健康診断についても、「屋内作業等における有機溶剤業務に常時従事する労働者(有機則第29条)」および「特定化学物質を製造または取り扱う業務に常時従事する労働者、ならびに過去に従事した在籍労働者(一部の物質に係る業務に限る)(特化則39条)」を対象に、6カ月以内ごとに1回の健診を実施しています。
2. 特定検診・特定保健指導
生活習慣の乱れは将来的な健康リスクだけでなく、日々のパフォーマンスの低下にもつながっています。特定健診・特定保健指導で、生活習慣を改善するための保健指導を行い、糖尿病をはじめとする生活習慣病の有病者・予備群の減少を図っています。生活習慣病は自覚症状がないまま進行することが多く、健診を通して個人が生活習慣を振り返り、意識や習慣が変わる様に保健指導を行っています。特に、特定保健指導では、生活習慣病の発症リスクの高い方や生活習慣の改善による効果が大きく期待できる方に対して実施しています。対象者が自分の健康状態を自覚し、生活習慣の改善のための自主的な取り組みを継続的に行うことができるように、さまざまな働きかけやアドバイスを行っています。
3. 感染症対策
新型コロナウイルス対策として以下危険区分とその対応を設定しましたが、今後起こりうる新たな感染症に対しても適用します。法令にもとづく各種要請(緊急事態宣言、まん延等防止等重点措置法)を鑑みて、以下の社内定義(フェーズ)に照らし、状況に応じた対応をおこないます。
また、基本的な感染防止対策として、日々の検温等の体調管理や体調不良時の出社の見合わせなどについて周知徹底をおこなうとともに、感染者や濃厚接触者等の発生時は、行政に準じた対応を実施し、感染拡大防止に努めています。
感染症対策
危険区分の定義 およびその対応 |
フェーズ1 (感染予防配慮) 不要不急の外出自粛要請 |
フェーズ2 (感染拡大) 外出自粛の強い要請 |
フェーズ3 (感染まん延) 外出禁止令など |
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勤 務 | 在宅勤務、サテライトオフィス勤務、時差通勤の推奨 | 出社停止(在宅勤務のみ) | |
社内会議 | WEB会議の推奨 | WEB会議の推奨 10名以上の対面会議は原則禁止 |
WEB会議のみ |
国内出張 | WEB会議の推奨 | 原則禁止 | 禁止 |
海外出張 | 原則禁止 | 原則禁止 | 禁止 |
外部の来訪 | 必要なものに限る、最少人数とする | 原則禁止 | 禁止 |
メンタルヘルス施策
ストレスチェック
「メンタルヘルス不調の未然防止」を目的として、年1回ストレスチェックを実施しています。判定結果にて高ストレスと認められた従業員には、産業医による面談を受診するよう促しています。また、個人だけではなく、事業所、工場等の集団分析もおこない、必要に応じてヒアリングを実施し職場環境改善の取り組みにつなげています。
ストレスチェック実施状況
2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
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受検率(%) | 96.0 | 95.1 | 95.8 |
カウンセリングサービス
社会や環境の変化に伴って身体だけではなく、心の健康を維持することが難しい時代となっています。当社では、ストレスや深刻な悩み、不安などに対応し、従業員およびそのご家族の心身の健康を予防・改善するため、メンタルヘルスのカウンセリング事業者と契約し、いつでも相談できる体制を整えています。カウンセリングサービスには、休職者への復職支援も含まれます。
ワークライフバランス支援
日本パーカライジングは、個々に異なる価値観を持った従業員が、ライフステージに応じてそれぞれの力を発揮しながら仕事を続けていけるよう、さまざまな制度を導入しています。
こうした制度は、国連グローバル・コンパクトの「人権の尊重(原則1・2)」および「労働基準の遵守(原則3〜6)」に基づき、従業員一人ひとりの尊厳と多様性を尊重し、公正で柔軟な職場環境の整備を推進するものです。
長時間労働の是正
長時間労働は従業員の健康に悪影響を及ぼすため、当社では月間の時間外労働が45時間を超えない様に勤怠管理を行っています。また、特定の従業員に対する業務の集中を防ぎ、業務マネジメントの見直しを行い、より働きやすい環境への改善に努めています。さらに、労働環境の向上を目的として、業界団体が主催する労働基準に関するセミナー等への参加を推奨し、担当部門による外部情報の収集・共有を行っています。
平均残業時間(時間/月) | 14.5(2024年度) |
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年次有給休暇の取得の推進
ワークライフバランスの実現のために、半日単位で取得できる年次有給休暇を導入しています。従業員の生活に配慮するとともに多様な働き方に対応しています。
2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
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年次有給休暇取得率(%) | 74.7 | 71.4 | 73.3 |
フレックスタイム勤務制度
一定の時間帯の中で、従業員が始業および終業の時刻を柔軟に決定できる労働時間制度です。2017年10月に就業規則の大幅改定を行い、フレックスタイム勤務制度を幅広く活用できるようになり、より従業員の柔軟で効率的な働き方が可能になりました。
従業員が取得できる休暇
従業員のライフイベントに合わせて取得できる休暇(結婚、転勤、単身赴任、産前、産後、育児、介護、看護など)や被災休暇、勤務間調整休暇(インターバル11時間)、体調不良時に利用できる女性向け休暇、永年勤続休暇などを用意しております。休暇を取得しやすい環境を整え、従業員の心身の健康を維持・増進することで、従業員のパフォーマンスを最大限発揮できるようサポートしています。
テレワーク勤務制度
テレワーク勤務規則を制定し、職務に応じた最適な働き方を目指すため活用を推奨しています。生活と仕事の両立がしやすくなるなど、従業員それぞれに適した柔軟な働き方の実現に役立っています。
育児支援制度(家庭との両立サポート)
従業員それぞれのライフステージに応じた柔軟な勤務スタイルの実現をさらにサポートするため、従業員の子供の保育支援サービスをおこなっています。
海外駐在者への支援
語学研修、諸休暇、健康診断、予防接種補助、出産費用補助、物資供給、子女教育費補助等、現地での生活が快適に過ごせるようさまざまな支援をおこなっています。
その他の支援
従業員のライフステージに応じた各種支援をおこなっています。
安全衛生・リスク管理
安全衛生への基本姿勢
当社グループは、「従業員の安全と健康はすべてに優先する」という基本理念のもと、経営層主導で安全衛生方針を策定し、グループ全体で共有・実践しています。法令遵守を前提とした体制のもと、全従業員が高い安全意識を持って業務に取り組み、「災害ゼロ・健康被害ゼロ」の職場づくりを目指しています。
安全衛生方針
- 日本パーカライジンググループは、当社で働く人すべての安全と健康を最優先に考え、安心安全な労働環境を整備し、心と身体の健康増進に取り組みます
- 日本パーカライジンググループは、安全衛生の適切な予防策を講じ、継続的な改善を図ります
- 日本パーカライジンググループは、安全衛生に関する法令や規制を遵守します
安全衛生マネジメント
ISO14001に基づく体制(事業場安全衛生環境委員会、リスクアセスメント、安全教育等)
日本パーカライジングでは、安全衛生マネジメントを環境マネジメントシステム(ISO14001:2015)に包括させ、安全衛生・環境マネジメントシステムとして統合して運用しています。持続的な成長を実現するため、マネジメントシステムには、リスクアセスメントの仕組みも取り入れており、リスクを抽出し対策を講じることで労働災害防止に役立てています。
また、年に2回ISO14001マネジメントレビューとして「中央安全衛生環境委員会」を開催しています。経営層、労働組合執行部等が出席し、さまざまな課題について協議しています。
※OHSAS18001(現ISO45001)は取得しておりません
安全推進の取り組み
当社グループでは、安全で働きやすい職場環境の実現に向けて、年2回「パーカーグループ安全衛生環境協議会」を開催しています。この協議会では、労働災害の発生状況、再発防止策、法令改正への対応、安全巡視の結果などを共有し、全社的な安全対策の強化を図っています。
2024年度には、新たな取り組みとして「パーカー安全の4つの誓い」を策定。掲示や唱和を通じて、安全文化の定着を推進しています。
パーカー安全の4つの誓い
- 私たちは、安全をすべてに優先します。
- 私たちは、ルールや手順を必ず守ります。
- 私たちは、危険な行動や作業は絶対にしません、させません。
- 私たちは、常に危険を見極めて行動します。
- 事業場安全衛生環境委員会の取り組み
日本パーカライジングでは、労働安全衛生法の定めに従い「事業場安全衛生環境委員会」を全事業所に設置し、毎月委員会活動を実施しています。事業所の全ての従業員を対象とした労働災害や健康障害の防止策、健康リスクに関わる事項について調査・審議するとともに、具体的な施策を推進しています。
- リスク管理と現場改善
各職場では、作業標準の見直しや設備の安全対策を継続的に実施することで、作業者の負担軽減と事故リスクの低減を図っています。また、KY(危険予知)活動やヒヤリ・ハット(事故につながりかねない事例)の収集・分析を通じて、作業者主導の安全文化の醸成に取り組んでいます。現場視点に立った継続的な改善活動を実践し、全社的な安全管理レベルの維持・向上に努めています。リスク管理に必要な項目や手順は「安全衛生・環境マニュアル」などに具体的に定められており、重大災害の防止に向けて、危険作業等のリスクを抽出し、リスクレベルに応じて社内で横断的な対策を講じています。労働災害が発生した際には、環境安全部と各事業本部が迅速に連携し、災害情報の共有を行います。災害の詳細、発生原因、再発防止策については、全事業所およびグループ会社に展開・共有し、類似災害の防止に活用しています。
また、当社グループでは、事業活動において多くの化学物質を使用しています。従業員がこれらの化学物質を安全かつ適切に取り扱えるよう、各事業所で「化学物質リスクアセスメント」を実施しています。この取り組みにより、化学物質ごとの有害性や、工場内作業に潜む事故のリスクを把握し、適切な管理を徹底しています。 - リスクアセスメント事例一覧
- 安全衛生リスクアセスメント
安全衛生・環境マニュアルに基づき、重大災害を防止するため危険作業等のリスクを抽出し、各リスクについてアセスメント(評価基準:結果の重大性、不安全行動の頻度および不安全行動の安全策)をおこない、リスクレベルに応じて社内で横断的に措置を講じています。リスクアセスメントの実施状況は内部監査等で確認しています。 - KYTの実施
危険予知能力を向上させるため、イラストを用いた職場討論や体感訓練などを行っています。 - 作業の危険度評価・リスク評価
オフィスの安全点検をはじめ、実際の作業の危険度を調査し、作業中止や自動化等により、リスク低減を実施しています。 - 化学物質リスクアセスメント
化学物質の有害性のリスクを評価できるシステムを導入し、リスク低減を図っています。本リスクアセスメント結果については全社で共有しています。
- 安全衛生リスクアセスメント
労働災害情報共有と活用
労働災害が発生した際には、環境安全部と各事業本部が迅速に連携し、災害情報の共有を行います。災害詳細、発生原因、再発防止対策は、全事業所およびグループ会社に情報を展開し同様の災害を防止します。特に工場内では、事故の内容や対策を共有し、必要に応じてリスク評価に反映させ、各工場内会議で報告して周知徹底を図ります。
また、各労働災害情報はデータベースに集約し、類似災害の防止に役立てています。
安全衛生教育・啓発活動
当社では、安全意識の向上および安全作業の習得を重要な基盤と位置づけ、継続的に安全衛生教育を実施しています。入社時や配置転換時、また特定の作業に従事する際には、安全衛生教育を必ず行っています。さらに、労働安全衛生法令に基づく特別教育や外部研修を含めた教育を必要に応じて行っています。危険予知能力を向上させるため、イラストを用いた職場討論や体感訓練など、従業員が安全を確保するための知識とスキルを習得できるよう、各層の業務役割に応じたさまざまな安全教育を実施しています。
2024年度は「全国安全週間」に合わせて第43回社内安全衛生大会を開催し、無災害記録者の表彰や、中央労働災害防止協会による「化学物質の爆発・火災リスク」に関する講演を実施しました。
従業員一人ひとりが安全への意識を高め、安全文化のさらなる定着を図っていきます。
2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
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入社時の安全衛生教育者数 | 23名 | 28名 | 27名 |
2024年度実績と重点施策
2024年度の労働災害件数は10件(正社員2名、契約社員2名、派遣社員4名、請負社員2名)でした。死亡災害については、20年以上連続でゼロを維持しており、当社の高い安全意識と組織的なリスク管理の成果を示しています。
労働災害の発生状況を示す指標である労働災害度数率および強度率については、2024年度の強度率は0.078にとどまり、重大災害の抑制が引き続き実現されています。一方で、当社単体の労働災害度数率は3.25と、前年までの水準および厚生労働省平均(1.30)を上回っており、職場における安全リスク管理上の課題が浮き彫りとなりました。
これらの結果を踏まえ、当社では災害の未然防止と現場での安全意識のさらなる向上を喫緊の課題と認識しています。今後も、安全衛生・環境マネジメントシステムを活用し、PDCAサイクルによる継続的な改善を推進することで、ゼロ災害の達成を目指してまいります。
度数率=(死傷者数/延べ労働時間数)×1,000,000
強度率=(労働損失日数/延べ労働時間数)×1,000
単体:日本パーカライジング(株)
国内主要連結子会社:パーカーエンジニアリング(株)、パーカー加工(株)、大分パーカライジング(株)、小松パーカライジング(株)、日本カニゼン(株)、浜松熱処理工業(株)、ミリオン化学(株)、共同輸送(株)
製造業計:厚生労働省白書労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模100人以上)及び総合工事業調査)の概況
2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | ||
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死亡以外の労働災害件数 | 正社員 | 6 | 3 | 2 |
派遣社員 | 1 | 5 | 2 | |
契約社員 | 1 | 2 | 4 | |
請負社員 | 1 | 0 | 2 | |
合計 | 9 | 10 | 10 | |
死亡災害件数 | 正社員 | 0 | 0 | 0 |
派遣社員 | 0 | 0 | 0 | |
契約社員 | 0 | 0 | 0 | |
請負社員 | 0 | 0 | 0 | |
合計 | 0 | 0 | 0 | |
TRIR※1 | 0.68 | 0.78 | 0.81 | |
LTIR※2 | 0.15 | 0.00 | 0.65 | |
強度率 | 0.01 | 0.00 | 0.78 | |
度数率 | 0.76 | 0.00 | 3.25 |
※1:TRIR (Total Recordable Incident Rate) : 20万延べ労働時間あたりの統計内災害件数率
※2:LTIR (Lost Time Incident Rate) : 20万延べ労働時間あたりの休業災害件数率
労使関係・法令遵守
労使関係の健全な維持発展
当社では、労使の平和的で健全な関係の維持発展のため、労使対等の原理にもとづき、労働組合と労働協約を締結しています。
労働協約では、会社は組合員が労働協約の定めに違反しない限り、組合活動の自由を認めること、組合活動を理由に労働条件やその他について、不利益な取り扱いをしないことを定めています。
定期的に労使協議会を開催しており、労働条件にかかわる事項、経営環境や会社の経営方針・ビジョン、賃金改善要求などを含めた協議を実施しています。労使間で経営情報の共有、組合員の働き方改革、労働条件や処遇の改善を図っています。
なお、ユニオン・ショップ制を採用しており、労働組合への加入が認められている従業員は全員労働組合に加入しています。
労働基準法違反管理
日本パーカライジンググループは関連法令の遵守を徹底しており、法令改正があった場合には、適時適切に対応しています。
労働違反が発生した場合には迅速に調査を行い、適切な是正措置を講じています。また、再発防止のための教育と研修を実施し、従業員への周知を徹底しています。これにより、健全な労働環境の維持を図ります。
2022年度~2024年度(2022年4月1日~2025年3月31日時点)は、法令違反等による行政からの処罰はありません。
福利厚生(退職金・保険制度等)
退職金・保険制度等
「確定拠出年金制度」、「財産形成貯蓄制度(財形)」、「従業員持株会制度」、「退職一時金制度」、「企業年金基金制度」などを取り入れています。また各種社会保険の完備だけでなく、団体保険・遺族遺児育英年金・弔慰金・高度障害見舞金など、万が一の時への備えも実施しており、安心して働ける環境づくりにも積極的に取り組んでいます。