総合技術研究所
日本パーカライジングは1928年、日本で初めて鉄鋼防錆技術(りん酸塩化成処理技術)を導入して以来、自動車・鉄鋼・家電などの基幹産業から最先端産業に至るまで、多くのお取引先さまと連携し、あらゆる素材の表面を改質することで、皆さまの暮らしを支えてきました。
当社は技術立社を旨とし、先進性と独創性に優れた表面改質技術の開発を進めています。あらゆるモノの表面に最適な「目に見えないミクロン・ナノレベルの皮膜」を創り出し、素材の性能を飛躍的に向上させることで、人びとの暮らしにさらなる豊かさを提供すべく、日々技術の探求に努めています。表面改質技術は、持続可能な未来を根底から支える「不可欠なインフラ」です。当社は、有害物質の代替・低減やゼロエミッション化など、環境負荷の抑制に貢献する技術開発を進めるとともに、資源の有効活用や環境課題の解決にも積極的に取り組んでいます。
研究概要
日本パーカライジングは、長年にわたり金属の表面改質分野で技術力を強化してきました。現在ではあらゆる素材の表面にさまざまな機能(トライボロジー特性、絶縁、導電性、親水性、撥水性、放熱性、断熱性など)を付与する技術に進化しています。お客さまに提供した製品・加工技術は数千種を超えており、近年、医療分野にも進出いたしました。
あらゆるものには表面が存在します。さらにコア技術の充実と進化を図り、既存分野にとどまることなく新分野や異業種への展開も視野に入れた研究開発をおこなっていきます。
コア技術
化成反応により、防錆・耐摩耗という機能を金属表面に付与することを基盤に、化学平衡を追求した研究開発に取り組んでいます。化学平衡状態を探求し、新たな機能をあらゆる表面に付与し、皆さまの暮らしを豊かにすることに貢献してします。
また、コア技術を用いて環境課題にも積極的に取り組んでおり、幅広い産業に対して環境に配慮した製品を提供しています。
研究体制
1987年に神奈川県平塚市に設立された総合技術研究所は、長年にわたり当社の基礎研究や製品開発の中心として機能し、技術立社を支える中核拠点として実績を重ねてまいりました。そして2025年4月、次世代に向けた研究開発力のさらなる強化とオープンイノベーションの推進を目的とし、新たに「新総合技術研究所(Parker Innovation Center)」を開所いたしました。
新たな体制では、顧客ニーズに直結する従来の「マーケットイン型」の強みを維持しながら、社会課題や技術動向を起点とした「プロダクトアウト型」の視点を高度に融合させ、不確実性の高い時代にも対応できる「再現性のある研究開発体制」へと進化しています。
当社の技術開発において極めて重要となる表面分析については、「総合ナノ解析室」にμ-RAMAN(顕微ラマン)やFIB-SEM複合装置などの最先端機器を集結させ、ナノレベルでの表面構造の分析や反応メカニズムの解析を行っています。さらに、外部関係者との共創が可能な「Co+Lab(共同開発室)」では、実際の量産ラインを見据えた大型実証設備での検証に至るまで、ミクロの現象解明からマクロの量産化技術確立までを一気通貫で推進しています。
長年培ってきた技術力と理論に基づいた深い研究開発、そして斬新な切り口から新たな価値を生み出す、縦横無尽な研究開発環境がここに存在します。

総合技術研究所 施設紹介動画
新総合技術研究所(Parker Innovation Center)の主要機能の紹介
真理を解き明かす「総合ナノ解析室」
μ-RAMAN(顕微ラマン)、FIB-SEM複合装置など最先端の分析機器が集結。「何が、どこに、どれくらい、どんな状態で存在するのか」をナノレベルで解明し、世界中の拠点で再現可能なグローバル・レシピ(技術標準)を創出する「知の心臓部」として機能しています。
共創から量産へ瞬時に波及する「実装ネットワーク」
「Co+Lab(共同開発室)」では、外部知見が交わりオープンイノベーションによる革新的なアイデアを連続的に生み出しています。さらに、大型減圧複合熱処理装置や200tサーボプレス機など量産ラインを見据えた実証設備を完備し、試作とコストの見極めを徹底。生み出された技術は、国内各社との密接な連携を経て、世界各地のグループ拠点へシームレスに展開されます。
将来事業の3本柱を牽引する技術展開
先端技術研究部では、全社の経営戦略に連動し、高い市場成長が見込まれる3つの重点領域へ研究資源を集中しています。
①電池・エネルギー分野:拡大する電池・エネルギー市場に向け、表面・界面制御技術による材料・部材の高機能化を推進し、事業競争力を強化します。さらに、次世代電池をはじめとする新エネルギー領域へ展開し、将来の成長機会を創出します。
②AI・ICTインフラ分野:AI社会を支えるエレクトロニクス・情報通信インフラ市場に対し、熱マネジメントや先端実装を支えるソリューションを提供します。中長期的には次世代実装・情報通信領域へ事業を拡大し、新たな成長基盤を構築します。
③メディカル分野:まずは電気メス向けの耐焦げ付き処理技術により市場参入と競争優位性を確立します。将来的には、表面処理技術を活用して医療機器に薬剤を保持させ、患部で適切な量を持続的に放出する「コンビネーション医療機器」へ展開し、治療効果の向上を目指します。

東日本・西日本技術センター
研究所で開発したシーズをよりお客さまのニーズに合わせた形で提供できるよう、地域環境に適した応用開発に努めています。
技術センターは国内に7拠点を配置し、お客さまにより近い場所でお客さまの要求性能・使用環境に応じた製品開発および技術課題のソリューション提案をおこなっています。
製造技術センター
流体工学やレオロジー(流動学)の知見を盛り込み、研究所で開発された技術を工業スケールへと展開するためのプロセス開発をおこなっています。マクロ流体の流動特性やそれぞれの製品のミクロ物性挙動を数値化し、シミュレーションをおこない、分散状態や反応効率を効果的に管理することで独自のノウハウの構築を推進しています。
知的財産
社会貢献できる表面処理技術の開発とその技術に関する知的財産の保護および、その権利を尊重します。
教育・研修
従業員のレベルアップを図るための各種社内教育を実施しています。社外講座も活用しています。
日本パーカライジング技報
総合技術研究所では、技術情報誌として日本パーカライジング技報を発刊し、 日頃の研究開発の成果や新製品新技術の紹介をしています。

